〒020-0137 岩手県盛岡市天昌寺町7-25

賞与の手取り額の計算方法は?額面との違いや控除される税金を解説

こんにちは!税理士法人大沢会計&Nextです。

待ちに待った賞与(ボーナス)。しかし、明細を見て「思ったより手取りが少ない…」とガッカリした経験はありませんか?実は、賞与からは毎月の給与と同じように、健康保険料や厚生年金保険料、所得税などが差し引かれています。

今回のコラムでは、賞与から引かれる税金の種類や、手取り額をざっくり計算する「8割の法則」などを分かりやすく解説!いくら貰えるのか正しく把握して、賢いマネープランを立てましょう。

 

1.賞与の手取り額の目安は「額面の約7.5割~8割」

1-1 手取り額を一瞬で計算する「8割の法則」と「7.5割の分岐点」

個人の状況によって多少の前後(75%〜80%程度)はありますが、手っ取り早く手取り額を知りたいときは、支給される額面(総支給額)に「0.8」を掛けてみてください。これが通称「8割の法則」です。

【計算例】

・額面30万円×0.8=手取り約24万円

・額面50万円×0.8=手取り約40万円

残り2割ほどの金額は、会社があなたに支給する前に、国や自治体へ納めるためにあらかじめ差し引いて(天引きして)います。

なお、この手取り割合は一律ではなく、「額面が大きくなるほど、また前月の給与が高いほど、手取りの割合が7.5割(約75%)に近づいていく」という特徴があります。これは日本の税金システムが、稼げば稼ぐほど税率が上がる仕組みをとっているためです。

1-2 【早見表】額面ごとの手取り目安

あなたの賞与がいくらになるか、以下の早見表で目安をチェックしてみましょう。手取り額だけでなく「実際にいくら引かれているか」を確認しておくことで、リアルな予算が組みやすくなります。

額面(総支給額) 手取り目安(約8割) 差し引かれる金額の目安
20万円 約16万円 約4万円
40万円 約32万円 約8万円
60万円 約48万円 約12万円
80万円 約64万円 約16万円
100万円 約80万円 約20万円

※年齢や扶養家族の人数、前月の給与額によって前後します。

このように、額面が100万円の大台に乗っても、実際の手取りは80万円ほどになり、なんと約20万円(2割)も手元に届く前に消えているのが現実です。「思ったより少なかった」と支給日にショックを受けないためにも、この「2割引きの現実」をあらかじめ頭に入れておきましょう。

2.なぜ減る?賞与から引かれる「4つの税金・社会保険料」

2-1 給与と同じように引かれる3つの社会保険料

賞与から引かれる社会保険料は以下の3つです。実は、毎月の給与と同じ割合(保険料率)でしっかり引かれています。

・健康保険料(介護保険料):医療費の自己負担を3割に抑えるための保険料です。40歳以上になると「介護保険料」も上乗せされます。また、令和8年(2026年)4月からは、少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金(自己負担分0.115%)」もこの健康保険料に上乗せされる形で合算して徴収されています。

・厚生年金保険料:将来もらう老齢年金などのための保険料です。社会保険料の中で最も負担割合が大きく、賞与額の9.15%(※労使折半後の自己負担分)が引かれます。

・雇用保険料:失業したときの手当や、育児休業給付金などのための保険料です。一般の事業であれば賞与額の0.6%が引かれます。

残り2割ほどの金額は、会社があなたに支給する前に、国や自治体へ納めるためにあらかじめ差し引いて(天引きして)います。

2-2 賞与特有の所得税の仕組み(※住民税は引かれない)

社会保険料のほかに、国に納める「所得税(源泉徴収税)」が引かれます。賞与の所得税は毎月の給料とは別の方法で計算されるため、人によっては「思ったより高い!」と感じる原因になります。

毎月の給料から引かれている「住民税」ですが、実は賞与からは1円も引かれません。住民税は前年の年収をベースに計算され、6月〜翌年5月の「毎月の給料」から12分割で引き落とされる仕組みだからです。

3.誰でもできる!賞与の手取り額を計算する3ステップ

3-1 控除額を決める「保険料率」と「所得税率」の確認

まずは、自分の賞与から何%ずつ引かれるのかを確認します。

・社会保険料の料率:健康保険(約5% ※都道府県で異なる)、厚生年金(9.15%)、雇用保険(0.6%)、子ども・子育て支援金(0.115%)

・所得税率:賞与の所得税率は、「前月の給与(社会保険料を引いた後の金額)」と「扶養親族の人数」によって決まります。国税庁の最新の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて、自分の税率(%)をチェックします。

3-2 具体的な手取り額の計算シミュレーション

では、実際に【額面50万円・単身(扶養なし)・前月の給与が社会保険料控除後で30万円(所得税率6.126%)】の場合を例に計算してみましょう。

・ステップ1:社会保険料の合計を出す 健康保険:25,000円 + 厚生年金:45,750円 + 雇用保険:3,000円+子ども・子育て支援金575円 = 計74,325円

・ステップ2:所得税額を出す (額面500,000円 - 社会保険料74,325円)× 所得税率6.126% = 26,076円

・ステップ3:額面からすべてを差し引く 額面500,000円 - 74,325円 - 26,076円 = 【手取り額:399,599円】

このように、やはり最終的には「額面の約8割」に落ち着くことが分かります。

4.知っておきたい!賞与の手取り額が変わる2つの注意点

4-1 前月の給与が低い(または無い)と所得税率が跳ね上がる?

賞与の所得税率は「前月の給与」をベースに決まるとお伝えしました。

もし、体調不良での休職や産休・育休などで賞与の前月の給与がゼロ、あるいは極端に低かった場合、賞与の所得税率が通常より高く設定されてしまうケースがあります。ただし、払いすぎた税金は「年末調整」で必ず戻ってきますので安心してください。

4-2 「4〜6月の残業代が賞与に影響する」という噂の真実

よく「4〜6月に残業すると損をする」と言われますが、これは毎月の給与から引かれる社会保険料の話です。

賞与から引かれる社会保険料は、そのとき貰った賞与の額面に直接保険料率を掛けるため、春先の残業代によって賞与の手取りが減ることはありません。

5.賞与の手取りを少しでも増やす方法はある?

5-1 扶養家族の申告を漏れなく行う

賞与の所得税率は「扶養家族の人数」が多いほど低くなる仕組みになっています。結婚や出産などで扶養家族が増えた場合は、会社への「扶養控除等(異動)申告書」の提出を絶対に忘れないようにしましょう。正しく申告されていれば、賞与の所得税を抑えることができます。

5-2 年末調整や確定申告で「控除」を活用して税金を取り戻す

賞与支給時に天引きされる所得税を、その場で減らすことはできません。しかし、iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入や、ふるさと納税、生命保険料控除などの各種所得控除を活用することで、年末調整や確定申告の際に税負担を軽減できます。これにより、払いすぎた税金が還付され、結果として実質的な手取り額の増加につながります。賞与をきっかけに、節税制度の活用を検討してみるのもよいでしょう。

6.まとめ

せっかく頑張って成果を出し、手に入れた大切な賞与。明細を見て「思ったより少ないな…」とガッカリするだけでなく、何にいくら引かれているのかを正しく知ることは、立派なマネーリテラシーの一歩です。

手取りの目安が分かれば、「支給日にいくら口座に入るか」が事前に予測できるようになります。

「なんとなく口座に眠らせたまま、いつの間にか使ってしまった」となる前に、欲しかったものの購入、旅行、あるいは投資や貯蓄など、今のうちからワクワクするような使い道の計画(マネープラン)を立ててみてはいかがでしょうか。事前の準備をして、素晴らしい賞与支給日を迎えてくださいね!

CONTACT US